上海
2016/04/21 木曜日
街は想像以上に大きく、高層ビルが建ち並び、多くの人々が行き交っていた。都会はあまり好きではないが、目に写る中国語の数々に、私の心は満足していた。
歩いていると、ATMを見つけることができた。時間は掛かったが、なんとか現金を引き出せた。お札には「100」と書いてある。高いのか、そうでないのか分からない。事前に調べるべきだったと、このとき後悔した。
近くにあったコンビニに入り、ここで物価を把握することにした。パンはどれも5元前後、といったところだ。ここでは何も買わず、大きなスーパーを探し、そこで水とパンを購入する。日本も中国も、コンビニは価格が少し高いようだった。
午後に入り、私は市内を散策した。あてもなく長時間歩いたため、有名な観光地に運良く出くわすことができた。ただ、外灘や豫園などを見て回ったが、私の心にはあまり響かなかった。それは、中国が、どこか日本と同じ雰囲気を纏っているからだと、そう思えた。
重いバックパックを背負っての移動は辛いもので、当初は野宿の予定だったが、身体を休めるため宿に泊まる決心をした。たまたまWi-Fiが拾えたので、安宿を検索する。ここから歩いて2時間の距離だ。身体はボロボロだが、甘えてはいられない。私は自分の身体にムチを打ち、重い足を動かした。
宿に着いたのは夜の8時前だった。この日は、実に40キロも歩いたことになる。足裏は水ぶくれで、これ以上はとても歩けそうになかった。
宿は綺麗なユースホテルで、つたない英語で何とかチェックインをする。部屋はドミトリーで6人部屋だった。ベッドは4つが埋まっていた。すぐにでも眠りたかったが、30代の中国人男性に話し掛けられた。最初は面倒に思えたが、次第に面白くなった。これが旅の醍醐味なのだろうか……。
旅のルートについて相談すると、有益な情報もくれた。張家界と呼ばれる町で、有名な奇岩が見れるという。私も、日本のテレビで何度か目にしていた。これは是非とも見てみたい。男性に行き方を教えてもらう。
こうして私は、次の行き先を「張家界」に決めた。
中国・上海にて撮影